*読み難そうな漢字には、オンマウスで読みが出るようにしてあります。*

君がため 春がたみ







 不意に意識が覚醒して目を開けると、朝の光が目を射た。
 兵助は反射的に目を瞑り、今度は恐る恐る開けていく。細く開けた隙間から見ると、引かれたカーテンの隙間からの光がちょうど自分に当たっていることが分かって、ゴロリと寝返りを打つ。
 それから、ふと気が付く。昨夜、確かカーテンは開いていた。見上げた視界の中に円い大きな月を見た覚えがある。月明かりが、タカ丸の淡い髪に降っていてキレイで…。
 そこまで思い出して、兵助は跳ねるように飛び起きた。
 寝惚けた頭で聞きながら、それでも記憶していた言葉が脳内で再生される。
 タカ丸の声と、それに返した自分の声。意識が落ちる寸前に唇に感じた、柔らかな感触。
 赤いのも青いのも通り越し、真っ白になった頭で凍り付いていると、台所の方で気配が動いた。
「あ、おはよう、兵助くん」
「おはよう…ございます……、タカ丸、さん」
 ぎこちなく挨拶を返すと、タカ丸は二度瞬きをし、僅かに口の端を歪めた
 しかしタカ丸が口を開くより前に、八左ヱ門の呻き声と起き上がる気配がして、二人してハッとそちらを向く。
「んー…ふあぁ。おはよ、へーすけ。タカ丸さん」
「…はよ」
「おはよう、八左ヱ門くん。台所、勝手に使わせてもらってるよ」
「え? …うわ、メシだ! 作ったんすか? うわ、スゲェ」
「コンビニで買ってきたものだから、大したものは作れなかったけど。あ、卵だけ使わせてもらったよ」
「構わないです。むしろ有難いですよ」
 地声の大きな八左ヱ門の声に起こされたのか、他の三人ももそもそと起き出した。
「はち、朝から何騒いでるの?」
「タカ丸さんが朝メシ作ってくれたぞ」
 寝起きのいい勘右衛門が、飯の一言に嬉しそうに台所へ向かう。兵助は、大きな欠伸をしている雷蔵、低血圧の為か不機嫌そうな三郎を順に見て、最後に再びタカ丸へ視線を遣った。途端に、ずっとこちらを見ていたらしい彼と目が合って、急いで目線を外す。立ち上がり、誤魔化すように毛布を畳む間も、頬の辺りに視線を感じるような気がした。
 タカ丸が作った朝食は、トースト、ハム入りのスクランブルエッグ、出来合いのサラダスパゲティ、インスタントに少し手を加えて味を調えた野菜スープだった。朝から旺盛な食欲を見せた八左ヱ門が一枚余分にトーストを食べつつ、皆で全て平らげる。
 勘右衛門と兵助が昨夜の分も合わせて洗い物をする後ろで、八左ヱ門が腹を擦って満足げな吐息をついた。
「あー食った」
「朝から食べ過ぎだよ、はち」
「太るぞ」
「俺は動いてるから太らねーんだよ! ってわけで、風呂入る前に一汗掻きに行くぞ」
 雷蔵と三郎の横やりを跳ね除け、八左ヱ門は勢いをつけて立ち上がる。
 一人、展開に付いていけないタカ丸が首を傾げた。
「え、行くってどこへ?」
「公園」
 単語と指差しだけで返ってきた答えに、タカ丸は思わずといった様子で、指された窓の外に視線を遣った。



 八左ヱ門のアパートの近所には、バスケットコートを備えた公園がある。日曜の朝ということもあってコートには先客がいたが、八左ヱ門たちの顔を見るとすぐに半面を開けてくれた。
「はよーっす」
「よう。…お、一人増えてるな。人数ちょうど良くなったじゃないか」
「そうなんだよ。ま、今日は腕試しだけど」
 持参したバスケットボールをタカ丸にパスし、八左ヱ門はニカリと笑う。タカ丸は微妙に引きつった笑顔で受けて、ははは、と乾いた声を上げた。
「スニーカーで来て下さい、てこういうことだったんだね」
「はちの家に泊まった時の定番なので」
 にこり笑った雷蔵がタカ丸の手からボールを取り、勘右衛門にバウンズパスをする。受け取った勘右衛門は、ドリブルをしたり指先でボールを回したりと何やら楽しげだ。
 チーム決めるぞー、と言った八左ヱ門の周りに集まって、掛け声に合わせてグーかパーの手を出すと、三回目で決まった。
 八左ヱ門、雷蔵、タカ丸のチームと、三郎、勘右衛門、兵助のチーム。
 腕を伸ばしたり屈伸したり、それぞれ適当に身体を解し準備を整えていると、
「こういうの久しぶりだなー。動けるかな」
 そんなことを呟いているタカ丸の声が耳に届いた。斜め後ろで足首と手首を回している彼を一瞥し、兵助は位置に付く。
「11点先取なー」
 腹に響く音を立ててドリブルをしながら八左ヱ門が言い、正面に立つ兵助に一度ボールをパスし、パスを返されたのを合図にゲームが始まった。
 最初は皆も自分の調子を上げる為に緩々と動いていた。パスを回してゴール下に入っては軽くシュートするのを幾度か繰り返す。その内少しずつ走ったり、ボールカットを積極的にしたりと、動きを大きくし始める。タカ丸も攻め方やかわし方を思い出しながらプレイしているようで、時々自分で小さく頷きながら動いていた。
 八左ヱ門が八点目のシュートを決めた頃には、皆息が少し上がっていたが、身体は適度に解れて、逆に動き易いくらいだった。
「さーて、そろそろ本気で行きますか」
 スタートラインでボールを受けながら、そう呟くように言ってニヤリと口の端を上げた三郎に、兵助と勘右衛門も視線を交わす。
 ドリブルをしながらゆらりと一歩前に出た三郎から、ゴール左側の外にいた兵助に鋭いパスが出る。兵助はそれを走り出しながら受け止め、ディフェンスに来た雷蔵を腕で抑えながらゴール下のスペースに入り込む。身長差を生かして上から抑える雷蔵の腕の下からパスを通して、逆サイドにいた勘右衛門にボールを渡す。と、勘右衛門はすぐさま走り込んできていた三郎にパスを出し、三郎がシュート体勢に入った。地を蹴りボールを放つ瞬間、
「三郎!」
 ブロックに入った雷蔵の姿とその強い呼び声に、三郎が一瞬動きを止めた。崩れた体勢から放たれたボールがゴールに入るはずもなく、ガコンと枠に当たって落ちてくる。そのボールを八左ヱ門がすかさず取った。
「三郎ーっ!」
「仕方が無いだろう! 雷蔵なんだから!」
 分かっていながら文句を言う勘右衛門と、本人限定の理由を堂々と言い放つ三郎の横で、兵助は諦めの溜息をつく。
「やっぱりだめか」
「はは、三郎には雷蔵当たらせるのが一番だよなぁ」
「三郎もまだまだだよね」
 付き合いは浅くとも、タカ丸もその辺の力関係は分かるらしく、おかしげに肩を震わせている。笑みに細められた目が、ふっとこちらに動いたような気がして、兵助は急いで顔を背けた
「どんどん行くぞー」
 今度は八左ヱ門が、ドリブルで右回りに大きくエンドライン近くまで走り込んだ。それを止めに入った勘右衛門の姿に、八左ヱ門は後ろへ来ていた雷蔵へとパスをする。雷蔵もドリブルで今度はフリースローラインまで戻り、左前方にいたタカ丸にバウンズパスでボールを渡した。タカ丸は、三郎の横をドリブルで抜けるように見せかけて、不意にその場で地面を蹴った。
 ボールは、綺麗な放物線を描いてゴールへ収まった。
「やるじゃん、タカ丸さん!」
 八左ヱ門のハイタッチに応えて、タカ丸は嬉しそうに笑う。
「良かった、入ったよー」
 雷蔵ともハイタッチをしてやれやれと胸を撫で下ろすタカ丸を、三郎が不機嫌そうな顔で見ていた。
「次は決めるぞ」
「…あぁ」
 三郎の言葉に応えながら、兵助は内心で首を傾げる。三郎は普段、雷蔵が多少他の者と仲良く話していたところでこうまで不機嫌そうな顔はしない。するとしても、もっと冗談めかした様子で雷蔵たちの会話に割って入ることの方が多い。
 気付けば勘右衛門も不思議そうな顔で三郎を見ており、兵助が首を傾げてみせると、彼もわけが分からないといった様子で肩を竦めてみせた。
 結局その後、兵助たちは追加点を入れることは出来ず、八左ヱ門のシュートが決まってそのゲームは終わった。
 休憩と水分補給をして2ゲーム目をしている途中で、タカ丸の携帯電話が鳴った。ごめんね、と断って電話に出たタカ丸は、幾度か言葉をやり取りして短時間で電話を切ると、もう一度ごめんと言った。
「今日、実は特別に予約のお客さんがあったんだけど、そのセットのアシスタントをするはずの子が急に都合悪くなっちゃったんだって。で、お呼び出し掛かっちゃった。悪いけど、このゲーム終わったら俺帰るね」
「俺らは構わないですけど」
「時間は大丈夫なんですか?」
「うん、ゲーム終わるまでくらいは大丈夫」
 ごめんね、と三度口にするタカ丸を、三郎は眇めた目で見遣って、
「私たちがさっさと勝って終わらせればいいんだろ」
 を返してコートに戻っていく。そんな三郎に、八左ヱ門と雷蔵も顔を見合わせて首を傾げた。
 けれど2ゲーム目も兵助たちの負けとなり、タカ丸は帰り支度の為、兵助たちは風呂の用意の為にアパートに戻った。
「今回はありがとう。楽しかったよ。兵助くん、雷蔵くん、また学校で」
 手を振って小走りに去っていくタカ丸の背を見送って、どこかほっとしているのに兵助は気付いた。
 ずっとタカ丸の存在を意識し続けてしまって、何だか苦しかったのだ。



 皆で銭湯へ行って汗を流し。
 ファミレスで昼食を取った後、お開きになった。
 その帰路で、兵助はともすればぼんやりとし、方角が同じだからと一緒に帰っていた雷蔵や三郎に呼び戻されることが何度もあった。
 だから最寄り駅での別れ際、雷蔵に
「兵助、ちゃんと帰れる?」
などど心配そうに聞かれても仕方のない状態だった。
「大丈夫だよ」
 気休めにしか聞こえないことは充分に分かっていても、そう言うしかなかった。思考を飛ばしてしまう原因を、彼らに相談することはまだ出来ない。自分の中の整理が余りにも出来ていない。
「またな、雷蔵、三郎」
 手を振って、踵を返す。その背を三郎の声が追った。
「振ってしまえ、あんな男」
「三郎!」
 彼にしては珍しい、ぽかんとした無防備な顔で兵助は二人を振り返った。ぱちり瞬き、一気に顔中を真っ赤に染める。
「…お前らっ、聞いて…っ?!」
「ごめん。タカ丸さん、僕らのすぐ脇を通っていったから目が覚めちゃって」
 そっぽを向いてしまった三郎に代わり、雷蔵が答えた。兵助は耳まで赤く染めて、驚きに言葉もない。
「兵助…、一度タカ丸さんと話してみなよ。昨夜のあれだけじゃ、兵助も何も分からないだろうし、きっとタカ丸さんもまだ言いたいことがあるはずだよ。あれからまだゆっくり話してないんでしょ? 悩むのはそれからでも、遅くないはずだよ」
「悩むことなんてない。スッパリ振ればいいだけだ」
「三郎! …予約は1件だって言ってたから、タカ丸さんのバイトはきっとあと1時間もすれば終わるから。そしたら連絡してみなよ。ね、兵助?」
 兵助は俯いて黙り込んでいたが、やがて小さく、分かった、と言って歩き出した。
 戸惑いと不安が透けて見えるその背を、見えなくなるまで見送って、雷蔵は三郎を振り返る。
「どうしたの、三郎。バスケやってる時も変だったし。寂しいのは分かるけど、決めるのは兵助だって、お前だって分かってるだろ」
 三郎はそっぽを向いたまま、雷蔵を見ようともしない。雷蔵は溜息をついて、携帯電話を取り出した。チラリと三郎の視線が向けられたのに、些か不本意そうに答える。
「タカ丸さんに連絡入れるんだよ。バイトなんて、きっと抜け出す口実だからね。…だって、あのままじゃ、兵助が怪我するか事故るかしちゃいそうだよ」
 言外に、決してタカ丸の為ではないと含ませ、雷蔵は電話帳からタカ丸の名前を探し始める。歩道の脇に取り付けられた柵に腰掛けて作業していると、背中に重みと温かみを感じた。背中合わせに寄り掛かってきた三郎に苦笑し、雷蔵は通話ボタンを押した。


      *  *  *


 兵助は駅からの道をのろのろと歩き、途中目に付いた公園に入って、ベンチにずるりと座り込んだ。
 空は昨日ほどではないが晴れ間を覗かせており、こうしてじっと座っていると日差しが暖かい。
 幾つかの遊具を挿んだ向こう側では、数人の子供がサッカーボールを追いかけて遊んでいる。それを見るともなしに眺めながら、兵助は何度目かになるか分からない脳内再生を繰り返す。けれど雷蔵の言った通り、そこからは何も分からなかった。今朝になってからもタカ丸と何も話していない。向けられたのはただ、熱を孕んだ視線だけ。
 無意識のうちに溜息を零し、額に手を突いて項垂れそうになった時、唐突に携帯電話の着信が鳴って、兵助はビクリと身体を震わせた。慌ててジーンズのポケットから取り出すが、ディスプレイに表示された名前に動きを止める。
 ――斉藤タカ丸
 兵助はぐっと唇を引き結んで、折り畳み式の電話を開けた。
「…もしもし」
『兵助くん? あの…斉藤だけど』
「……うん」
『今、時間あるかな? 会って話したいんだけど』
「……、…分かった」
 場所を大学近くの公園に決めて、兵助は電話を切った。
 タカ丸と待ち合わせた公園は、先程まで兵助がいたところとは違って、木ばかりが多くて人気がなかった。
 さわさわと揺れるを見上げて中に入ると、タカ丸は中央辺りに設置されたアスレチックのに腰掛けて、兵助を待っていた。
 兵助の姿を見ると、タカ丸はほっと安堵したように相貌を崩した。
「呼び出してごめんね、兵助くん」
 兵助はふるりと首を横に振り、タカ丸をじっと見つめ返す。
「いや。…話、て何ですか」
「あのね。……昨日言ったことなんだけど」
 ごくり、とタカ丸が息を飲むのが分かった。
「俺、兵助くんのことが好きだよ。昨日は偶然の成り行きでああなったけど、ほんとは、ずっと兵助くんに伝えたかった」
 タカ丸の双眸が、真っ直ぐに兵助を捉える
「俺は、君が好きだよ」
 その視線に絡め取られるような錯覚に陥りながら、兵助は喘ぐように呟く。
「……どうして」
「え?」
「どうして、俺なんです」
 苦しげに問う兵助に、タカ丸は眉を下げて笑った。
「どうしてだろうねぇ」
 予想外の答えに、兵助はパチリ瞬く。
「どう、って…」
「気付いたらね、好きになってたんだ。最初は普通に委員会の後輩として見てたはずなのにね。仕事を丁寧にやる子だなぁとか、意外と短気だなぁとか、笑うと可愛いなぁとか、そんなこと思ってたらいつの間にか。高校卒業するちょっと前に自分でも気付いてね。最初は諦めようと思ったんだけど、結局二年間ずっと忘れられなくて。大学で再会出来て、もう言わずにはいられなくなっちゃった」
 高校の時から、と聞かされて、兵助は驚いた。そんなに前からタカ丸が自分を見ていたとは、思ってもみなかった。
「伝えられて良かった。聞いてくれてありがとう。…あの、今答えをくれなくてもいいから。ゆっくり考えてくれればいいからね」
 そう言ってくれるタカ丸に兵助は頭を振った。今日はもうずっとタカ丸のことばかりを考えて、苦しいばかりだ。こんな状態を続けることなど出来そうにない。
 朝からずっと、と思って唇の感触を思い出し、あ、と声を零した。
「タカ丸さん、もう一度キスして下さい」
 今度はタカ丸が驚く番だった。大きく目を瞠ってパカリと惚けたように口を開ける。
「え、いいの?」
「はい」
「えっと、それじゃあ…」
 おずおずと近付き、そっと肩を引き寄せて、タカ丸は兵助の唇に自分のを重ねる。優しく触れて離れていくその感触を刻むように、兵助はしばらく目を閉じて突っ立っていた。
「兵助、くん?」
「…やっぱり嫌じゃない」
 ぺろりと唇を舐める兵助に、タカ丸がぴくりと身体を震わせたのにも気付かず、兵助は自分の中で何かを確認する。
「俺、今日はもうずっとタカ丸さんのことばっかり考えてました」
「うん、ずっと意識してくれてたね。嬉しかったよ。もうそれだけでも言った甲斐があったな、て思ったよ」
「それだけでいいんですか?」
「まさか!」
 反射で答えてから、タカ丸は兵助の顔を見直す。その視線に兵助は手を握り締め、絡め取られる、と頭の隅で思った。
「俺のこと好きって言ってもらって、嬉しかった。タカ丸さんとキスするのも嫌じゃない。すごく…その…」
「ドキドキした?」
 こくり肯く兵助に、タカ丸は抱き付く。突然の行動にうろたえていると、すり、と頬を寄せてきた。
「嬉しい、兵助くん。ありがとう。それなら、俺と付き合ってくれないかな。絶対に大事にするから」
 顔を真っ赤にしながら、兵助はそれにもこくりと肯いて。タカ丸は更に強い力で兵助を抱きつぶす。
 あぁ、絡め取られた、と兵助は思った。
 けれどこの胸の高鳴りは悪くなかった。たくさんの高揚感と幾許かの不安に、そっと目を閉じた。




  了



 ここまで読んで下さった皆さま、ありがとうございました。
 今まで書いた中で一番長い話になりました。いやーうん…長かった。
 途中のバスケとか竹谷のアパートとかはれにゃさんに妄想手伝ってもらいました。いつもありがとうございます。ていうかアパートに関してはほぼれにゃさんのご意見です。竹谷のアパートどんなん?て聞いたらここまで出たよ。

 CPモノを考える時、どうやって仲が深まっていくかって妄想するのはそりゃもう大層楽しいわけですけど、いつも『どうやって告るか』で自分は突っ掛かります。その一歩をどう踏み出すか、ていう切っ掛けがなかなか思い浮かばないんです。だからくっついた後とか、その前の微妙な雰囲気のとかは割と書くけど、告白話そのものは滅多に書かないです。
 だから今回はちょっと頑張ってみた。んですよこれでも(泣)。
 ちなみに今回のエピソードは知り合いの実話から拝借しました。部の仲間で飲んだ夜にそんなことがあったそうな。ちなみに告ったのが男です。

 補足ですが、この話はオフラインで出した「彼氏と彼氏と彼らの事情」という本に入っています。サイトの現パロ用に考えてた話を、タカくくプチ(という祭り)に合わせてオフラインで本にしちゃった、という経緯なので、こちらにも内容ほぼそのままで載せます。あ、内容そのままと言っても、これで小題1個分です。「桜の下でまた会いましょう」→「君がため 春がたみ」→「夏宵つきごもり」と続き、本の方はこのあとにもう1個エピソードがあります。
 「彼氏〜」の発行に関しては、ホントにギリギリで修羅場でもう死ぬかと思った、という記憶が一番強いですが、すげーよあれだけの量書き切れたよ、という気持ちも強かった本でした。
 友人・ナツにすっごい可愛い表紙を描いてもらって、それを印刷所で刷って貰いたいんじゃあああああぁぁ!!!という一念で仕上げた思い出も強いです。ホントにその一念で書き上げたな…。
 ともあれイイ思い出です。
 お粗末さまでした。

(2010/11/30 UP)

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