―後日談。
「で、何でコレがレパントの家にあるんだ」
眉間に皺を寄せて、苦りきった顔で、セオは唸るように言った。
目の前には、以前に城の英雄の間とかいう部屋にあったトランの英雄の像がどんっと置かれている。確か前回トランに戻った時に撤去を要請しておいたはずなのだが。
「城から移してきたのです」
「だから何故」
「私ももう歳ですからな、セオ殿のお顔を忘れてしまいそうでして。こうして毎日でも見なければ不安なのですよ」
レパントはしれっとそんな事を言う。
セオは一頻り唸った後、深々と溜息をついた。
「…こちらに戻った時は必ず顔を出す。だからこれを早くどうにかしてくれ」
「おぉ、それは有り難い。どうぞお忘れなくお願い致します」
「分かってる」
憮然と応えるセオの頬は、赤く染まっていた。
強く生きてね、坊っさん。
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