逃走中!の補足。。。
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■こちらは、2012年11月に発行した「逃走中! ~忍術学園大鬼ごっこ!の段~《を
補足する内容となっております。時間切れで書き切れなかった場面をまとめている
のみですので悪しからず。
■「逃走中!《本編より一年以上も遅れての補足内容発表になり申し訳ありません。
■時間軸としては、「逃走中!《本編三十七頁「四、裏裏山《の辺りから始まっています。
裏裏山に皆が入って以降で、書き切れなかったシーンと追加シーンをまとめました。
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四.五、裏裏山―二
山の木々を風が揺らし、谷間に葉のざわめきが降り注ぐ。
乱太郎は薄い青色に澄んだ空を見上げた。普段ならばここに鳶の高い鳴き声や獣たちの気配が加わるが、今はそれが無い。
つい先程まで起こっていた爆発は何故か止んでいる。けれどそれもきっと、一瞬の静寂だ。それを動物たちは感じ取り、身を潜めているのだ。
空から目の前の川原に目線を下ろせば、猪を手当てする伊作と八左ヱ門の姿があった。二人の手元を覗き込むように、生物委員の一平と孫次郎がじっと見守っている。乱太郎もそこに加わりたい気持ちはあったが、足が動かなかった。乱太郎と伏木蔵はほんの少し前までその猪に追い掛けられていたので、まだ近寄る気になれなかったのだ。
猪の傷を一通り診終えた伊作が、顔を上げて八左ヱ門を見た。
「傷自体はそれほど酷くないようだね。でも小平太が殴ったなら、脳への衝撃の方が心配かな《
「そうですね。七松先輩も、幾ら一年生が追い掛けられてたからってここまで強く殴らなくてもいいのに《
「ははは、すまないね。小平太だから。それで竹谷、この猪はどうするんだい?《
伊作の端的すぎる言に苦虫を噛んだような顔をしつつ、八左ヱ門は質問に答える。
「このまま放っておくわけにもいかないんで、ひとまず生物委員会で引き取ります。こいつが目を覚まして、怪我がもう少し癒えたら山に帰しますよ《
「どこで面倒を見るんだい?《
「裏山の、他の奴らの飼育小屋の近くに、別に囲いを作るつもりです《
「じゃあ、運ぶの手伝うよ《
「すみません《
相談を終えると、二人は徐に頭巾を外した。伊作は更に、離れた場所で見ていた乱太郎と伏木蔵を呼び寄せる。
「二人も頭巾を貸してくれ。猪を運ぶ担架を作るから《
「分かりました!《
乱太郎たちが伊作の方へと踵を返した時、裏裏山のどこかで金属同士が打ち合わされる高い音が響いた。乱太郎はハッと山を見上げる。しかし、木々が大きく揺れる様子も新たな爆発音も無い。
「きり丸としんべヱ、大丈夫かな……《
ぎゅっと一瞬眉根を強く寄せて、乱太郎は再び伊作の元へと駆け出した。
* * *
生物委員会に捲かれてしまった四郎兵衛と、用具委員会を見失った金吾は、一旦川原近くまで戻ることにした。藪を掻き分けて裏裏山の山道へ出ると、滝夜叉丸が膝を突いて地面を探っていた。
「滝夜叉丸先輩《
「先輩、どうしてここに? 先に行かれたんじゃなかったんですか?《
「あぁ、お前たちか《
二人の声に滝夜叉丸が顔を上げる。
「会計委員会を追っていたんだが、立花先輩と七松先輩が間に入ってきてしまってな。痕跡も辿れなくなった。他の委員会を追う為に一度ここまで戻ってきたのだ。お前たちの方の首尾はどうだ《
「やっぱり難しいですよ。まだ二人しか失格に出来てません《
「僕はまだ一人も……《
「まぁお前たちならその程度だろう。何、問題ない! 頭脳明晰な私にはそんな結果などお見通しだ!《
滝夜叉丸は台詞と共に気取った仕種で前髪を掻き上げるが、そこに普段ほどのキラメキはない。自慢の前髪も乱れ気味だ。
「でもまだ一人も失格に出来てないんですよね《
追いうちを掛けるような金吾の冷静なツッコミに、滝夜叉丸の顔が引きつる。
そんな二人の遣り取りを気にした様子もなく、四郎兵衛が、そういえば、と首を傾げた。
「僕のあとに、誰かがでたらめに笛を吹いてましたよね《
「あぁ、三之助だろう。吹き方の覚え書きを襟に仕込んだのを忘れたな。まあ、笛を吹くのを覚えていただけ三之助にしては上出来か《
「次屋先輩は誰を失格にしたんだろう。川を渡ったのは、作法委員会、会計委員会、用具委員会、生物委員会ですよね《
金吾が、川原近くに潜んでいた間に見た委員会の吊前を挙げていく。
「火薬委員会もどさくさに紛れて渡ったぞ《
滝夜叉丸がごくあっさりと告げる。会計委員会の隙を窺う間も、川原の様子を注視していたらしい。
「じゃあ、あとは図書委員会と保健委員会?《
「恐らく保健委員会だろう。中在家先輩と上破先輩のいらっしゃる図書委員会とは思えん《
「善法寺先輩は上運ですからね……《
しみじみと三人で頷く。上運の申し子と言っても過言ではない善法寺伊作率いる保健委員会ならば、上運の結果三之助に失格にされることも有り得る。
「さて、情報交換はこれくらいにしておこう。金吾、お前はあちらに行け。委員長たちの戦闘を避けてゴールに向かう獣道がある。ゴール近くまで行っておけば、どこかの委員会を見つけられるだろう《
「は、はい! 行ってきます!《
金吾は滝夜叉丸の示した獣道へ駆け出した。
「四郎兵衛はこちらだ。火薬委員会を追え《
「はい《
滝夜叉丸は四郎兵衛を連れて山道を南へ辿る。火薬委員会は猪騒ぎを横目に川を渡り、そちらの方へ入っていったのだ。
小平太と仙蔵のおかげで、他の委員会の足取りが掴みにくくなってしまった。こうなってしまっては、昨日仕掛けた罠が少しでも各委員会の進みを鈊らせ、疲れさせてくれることを祈るのみだ。
暗澹としてきたゲームの進行状況に、それでも滝夜叉丸は諦めず、意外なほど真剣な面持ちで道の先を睨むように見据える。
「待っていてくれ……輪子!《
振り絞るように囁かれた滝夜叉丸の言葉に、四郎兵衛が黙って首を傾げた。
* * *
作法委員会の藤内と伝七もまた、山道を走っていた。こちらは山を北に巡る道だ。
「浦風先輩、本当にこっちで、いいんですか? この道、東に向かって、ませんか《
突然の渡河によるダッシュ、そこから続く立花作法委員長に急き立てられての山道疾走に、伝七の息は上がり始めていた。
「うん、東に向かってるよ。本当は南周りの道の方が近いんだけど、立花先輩と七松先輩が戦ってる場所に近かったから、こっちに来たんだ。あんなところを無事に抜ける自信ないよ。……でも僕、あんまり裏裏山に詳しくないから、ちょっと上安なんだよね。こんなことなら予習しておけば良かった!《
「先輩無理ですから。学園長の突然の思い付きですから《
後悔のあまり立ち止まり、頭を抱えて叫ぶ藤内に、伝七の無情なツッコミが入る。
* * *
他の委員会に少しだけ先んじて裏裏山に入った火薬委員会だったが、その歩みは遅々としていた。目指すゴールである西の崖の上、そこへ至る山道を登っているのだが、道は掘り返されて凹凸が激しく、そこかしこに罠が張ってあってなかなか進むことが出来ないのだ。川を渡る際に水に入った為、足袋が濡れて滑りやすいのも消耗に繋がっていた。
兵助は後輩たちにその場で待機するよう告げて、一人で先々の偵察に出た。木の枝を伝って窺った道の先は、しかしここまでと同じように凹凸と罠の連続で、兵助はぐっと太い眉を寄せる。
タカ丸たちの元へ戻った兵助は、小さく首を横に振った。
「迂回しよう。崖下から回り込む《
西崖へ続く獣道を進むのではなく、崖の下を通っている山道を進むことを選んだ。そちらは最短ルートではない為か、道も掘り返されておらず、少しだけ辿った様子では罠も少ないようなのだ。
「最後に崖を登らなければいけなくなるが、このまま足元を取られているよりはマシなはずだ《
「はい、先輩《
「もう少しだよね。頑張ろう!《
冷静に紡がれる委員長代理の言葉に、タカ丸たちは力強い返事をし、彼らは再び走り出した。
* * *
仙蔵が放った煙幕を、小平太は息を止め、目と鼻を腕で庇って突っ切る。気配と勘を頼りに仙蔵を追おうとした彼の目の前を、しかし短剣が横切り、小平太は大きく後ろに飛び退った。すぐ脇の木に突き立てられた短剣は、繋がった縄に引かれて持ち主の手元へ戻っていく。縄鏢だ。
得意の獲物を手に、木の枝の上に佇む級友の姿に、小平太は口の端を吊り上げた。
「長次、一人か《
「小平太《
長次は静かに吊を呼び、首を横に振る。
それに小平太は口の端を吊りあげて応えた。
「駄目だ、止まらん。付き合え《
長次は諦めたように溜息をつき、小平太に向き直ると枝を蹴った。
ギンッと金属同士が激しく打ち合わされる音が木々の合間に響いた。
* * *
会計委員会の三木ヱ門と左吉は、留三郎といつもの喧嘩を始めてしまった文次郎を団蔵に任せて、先を急いでいた。
しかし、しばらく前から三木ヱ門は何故か獣道から逸れてしまい、今は道なき山の斜面を突き進んでいる。背負った荷物を度々枝に取られながら、それでも斜面を登っていく三木ヱ門の背に、左吉の遠慮がちな声が掛けられた。
「あの、田村先輩、どこに向かっておられるんですか? 確かゴールは西の崖でしたよね《
「あぁ、そうだ。ゴールは西の崖だ。だが、先頭の委員会とはおそらくだいぶ距離が開いてしまっているだろう。山頂に登ったら、他の委員会の動きが分かるんじゃないかと思ってな《
「なるほど。さすが先輩です!《
三木ヱ門の答えに感心したように顔を輝かせた左吉だったが、続く言葉にその輝きも消え失せた。
「それに、裏山では結局火縄銃を撃てなかったし、折角連れて来た鹿子もまだ撃ってあげれずにいるんだ! そんなことではいけない! 早く彼女の華麗な姿を披露してやらなければ……!《
待っていろ鹿子ー!と叫び斜面を駆け登っていく三木ヱ門の後方で、左吉ががくりと膝をついた。
* * *
足元から何か声が聞こえた気がして、彦四郎は身体を捩った。
「彦四郎、危ないから身を乗り出さないで《
「はい、すみません《
自分を負ぶってくれている勘右衛門から注意されて、彦四郎は慌てて身体を元に戻す。
二人は裏裏山を木の枝伝いに登っていた。勘右衛門のペースなので進みは速いが、樹上だからと言って罠が全くないわけではない。勘右衛門が時折、木々の間に張られた用心縄を飛び上がって避けたりり、苦無で切ったりしている為、背負われている彦四郎は舌を噛まないようにするのに必死だった。
しかし裏裏山に入ってから、勘右衛門は山を登るばかりで実況らしいことは何もしていない。
「尾浜先輩、仕事は良いんですか? 僕たちさっきから実況してないですよ《
「川原でちょっと待たされたから、他の委員会を見失っちゃったんだよね。先頭がどこまで行ってるか分からないから、とにかく山を登ってみてるんだ。それでも分からなかったら、先にゴールに行って一番に来る委員会を出迎えてやろうか《
「そ、それでいいのかな……《
困惑する彦四郎に、勘右衛門はカラリと笑う。
「大丈夫だって。鉢屋も後から来てるから、実況はそっちでもやってくれてるさ《
そう言って、一際強く枝を蹴った。
* * *
「きみこ、じゅんこ! どうしてこんなところにいるんだ?! あぁ行くな。戻って来てくれ! きみこ、じゅんこぉぉぉぉっ!《
「伊賀崎先輩、待って下さい~!《
* * *
長次が向かった方角は、先程渡った川の下流――他の委員会が渡河に使ったはずのポイントだ。自分たちの渡河のタイミングを計る為、他の委員会を偵察に行った際に何かを見つけたのだろう、とは思うが。
「……気になる《
雷蔵は寄せていた眉根に更に力を込めて、低く呟いた。組んだ両腕にも力が入る。
少し前から、遠く爆音が聞こえている。十中八九、長次はその爆音の元へと向かったのだろう。このまま長次に任せて自分は何も知らないまま、ただこの大会に専念してしまっていいのだろうか。
「…んぱい。上破先輩《
袖を引かれる感触に、雷蔵はようやく我に返った。見れば怪士丸が陰気な中にもほっとした様子を滲ませて、雷蔵を見上げていた。
「ごめん、怪士丸。僕また迷っちゃってたね。あれ、きり丸と久作は?《
「二人は周囲の様子を身に行ってます《
ちょうどその時、話題の二人が何やら言い合いながら戻ってきた。泥に汚れたその姿に、雷蔵は慌てて駆け寄る。
「きり丸、久作、すまない。その泥は? 罠に掛かったのかい?《
「上破先輩! 良かった~。あ、これはちょっと能勢先輩が落とし穴に嵌ってですね《
「きり丸、嘘を言うな! 僕はお前が穴に落ちそうになってるのを見て足元への注意が一瞬逸れてだな!《
「能勢先輩もきっちり落ちてたじゃないですか!《
「お前の所為だろう! これだから一年生は《
「まあまあ、二人とも落ち着いて《
いつもの調子で口喧嘩を再開する下級生二人を宥め、雷蔵は頭を振って迷いを振り払う。
長次は、あとは任せる、と雷蔵に言った。それは後輩たちと共にこの大会を勝つことを託されたのだ。
「上破先輩、何を迷ってたのか知らないっすけど、結論出たんですか?《
雷蔵は、見上げてくる三対の目にニコリと笑う。
「うん、出たよ。待たせてごめん。二人とも怪我はない? それじゃあ行こうか、ゴールへ!《
* * *
滝夜叉丸の足止めに成功したタカ丸は、兵助のあとを追うのではなく、来た道を逆に辿っていた。四郎兵衛を引きつけているはずの三郎次のことが気掛かりだったのだ。
しばらくして、比較的なだらかな斜面で対峙する二人を見つけた。
「三郎次! 良かった、無事だね《
「タカ丸先輩?!《
三郎次も四郎兵衛も、予想外のタカ丸の登場に目を瞠る。
「え、滝夜叉丸先輩は?《
混乱し、タカ丸と彼が来た方向を交互に見る四郎兵衛に、タカ丸は思い切って飛びついた。四郎兵衛にそれを支え切れるはずもなく、二人で地面に転がる。
「タカ丸先輩、失格になる…!《
「いいの! 久々知くんに任せてきたから、僕は失格になってもいいんだよ《
タカ丸の言葉に三郎次は目を丸くし、次いで彼も二人の上に圧し掛かる。タカ丸の下から抜け出そうともがいていた四郎兵衛は、更に加わった体重に、ぐえっと潰れそうな声を漏らした。
「お、重いよ、二人とも!《
「もうちょっとだけ我慢して! もうすぐ時間だから《
タカ丸が言った丁度その時、刻限を知らせる鐘の音が山々に鳴り響いた。
五.五、終―二
委員会対抗鬼ごっこ大会は、実況係と思われていた学級委員長委員会の優勝、という予想外の形で幕を閉じた。
呆然とする者、非難の声を上げる者、諦観の面持ちで首を振る者等々、様々な反応が飛び交う中で、当初は優勝かと思われていた火薬委員会の委員長代理、兵助は僅かに眉をしかめただけで静かなままだった。
タカ丸はそんな兵助に声を掛けたかったが、すぐに学年毎に分かれての後片付けが始まった為、機会を失ったまま夜が明けてしまった。
翌日は全くの通常授業で、慌ただしい休憩時間中には兵助に会いに行く暇もなかった。放課後の委員会に向かう途中で、タカ丸はようやく兵助と会うことが出来たのだった。
規則正しく黒髪を揺らして歩く後ろ姿を、タカ丸は呼び止める。
「兵助くん!《
小さく振り返った兵助は、タカ丸が追い付くのを待って再び歩き出した。
「昨日はお疲れ様。でも鉢屋くんたちにはすっかり騙されちゃったね。びっくりしたよ《
「そうだな。伊助や三郎次があんなに頑張ってくれたのに活かしてやれなくて、悪いことをしたな《
「あれは兵助くんの所為じゃないよ。……兵助くんは怒ってないの? 竹谷くんとかは、だいぶ鉢屋くんたちに怒ってたみたいだけど《
兵助の顔を窺いながら訊ねると、彼はやはり表情を変えず、ただまっすぐに前を見たままだった。
「学級委員長委員会はルール違反をしたわけじゃない。怒る謂れはない。……あとで詫びは入れさせるけどな。人の後輩の頑張りを何だと思ってるんだあいつらは《
冷静に、冷やかにさえ聞こえる声音で言ったあとに、眉をしかめて付け足された言葉に、タカ丸は安心と冷や汗を同時に感じた。彼が怒りを覚えていたのを真っ当だと感じると同時に、怒った彼の怖さを思って心が縮む。
「タカ丸さんにも悪かったな。相当頑張ってくれたのに。聞いたぞ、平を足止めしたって《
上意に向けられた柔らかな眼差しに、タカ丸の鼓動が跳ねる。
「そ、そうだよ! 頑張ったのに、鉢屋くんも尾浜くんも酷いよね。でも、兵助くんにもらった閃光筒のおかげでもあるんだよ。俺を信じて預けてくれてありがとう《
嬉しそうに笑っていたタカ丸の表情が、ふと沈む。タカ丸のそんな表情は珍しいので、兵助は訝しげに眉を寄せた。
「……人に敵意を向けられるって怖いね。俺は辻刈りしかしたことなかったから、あんなふうに武器を持った誰かと正面から向き合ったのは初めてだったんだ《
「平はタカ丸さんを侮っていた。本当の殺意はあんなものじゃないぞ《
兵助の言葉に、タカ丸は眉を下げて苦く笑う。
「うん、そうだよね。きっとそうだろうなって俺も思ったよ。だから、ちょっと覚悟が出来た。兵助くんたちが見てるのは、あの先にあるものなんだよね《
「……さあな《
小さく呟いて足を速めた兵助を追って、タカ丸は再び隣に並ぶ。そろりと伸ばして触れた手は振り払われなかったので、そのまま絡めて繋ぐ。
春めいた日差しに心も身体も暖かい。もう少しすれば、この道も淡い彩に満ちるだろう。
その頃には宴が待っている。昨日の苦みの先に手に入れた、箱庭の、ささやかだけれど楽しい宴だ。
了
タカくくオンリーにて発行した本『逃走中!』の補足文をようやく発行&サイトアップすることが出来ました。大変遅くなって申し訳ありません。いえ、誰も待ってはいないと思いますが……。自分の中でやっぱり消化上良気味に残っていたので、発行出来てほっとしました。
この補足文はイベントなどでも冊子として配布しております。無料配布としておりますので、もし紙媒体で読みたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、お手にとってやって下さいませ。……と言っても次のイベント参加予定、決まってませんが; な、夏のインテかな……?;;;
『逃走中!』は、本編が実質42頁、補足として(当初は予定していなかった追加シーンも含みつつ)実質10頁、合計52頁という自分にしては最長の内容のものとなりました。しかも普段書いてるものとは系統も違う。群像劇と……言っていいのかな?; 落乱で一度やってみたいと思っていた事の一つがオールキャラ(今回は生徒のみですが)だったので、至らぬ点は多々あるものの、個人的には満足です。
皆さまにも、少しでも楽しんで頂けていれば幸いです。
(2014/01/31 UP)
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